概要 人口 8000万人 人口構成 農業 4%
工業 38%
サービス業 59%
歯科医師総数 59900名
開業歯科医 57000名
病院勤務 200名
大学勤務 2100名
公共歯科医療機関 400名
その他 200名

   

試験

 ドイツでは歯学部学生に対して法律で定められた3回の試験があります。
 a) Vorphysikum(通常は3回目のsemesterの後。ドイツでは1 semesterは休暇を含めて6カ月)
 b) Physikum(通常は第5回目のsemesterの後)
 c) Staatsexamen(normally after ten semester)
 約30ー50%の学生は10 semesterでは修了できず、いくつかの補習を受けているようです。ドイツでは、コンピューター・アシステド・ラーニングやプロブレム・ベースド・ラーニングは行っていません。

臨床実習

 ドイツの臨床実習は歯学部4年生の第7回目のsemesterから始まります。学生は第6回目のsemesterまでは模型を使って実習しています。最後の2年間彼等は補綴を2コース、修復学を2コース、口腔外科と小児歯科と歯科矯正と歯周病を1コース受けます。最後の1年間にトレーニング方法を変えて、学生は患者の治療について(修復・歯周病など)すべてのことについて治療計画を立てて完全に治療していくことになります。1回のsemesterで20ー30人の患者を治療していますから、2年間で100名以上の患者を治療しています。

 臨床実習のための患者の数はなるほど以前よりも減少しています。以前ならいくらでもいたのですが、今では学生のための患者がいないかと一般歯科医に依頼することもあります。しかし、日本のように患者がいなくて学生が治療経験を積むことができないという状況にはありません。

海外からの学生への奨学金制度

 海外からの学生に対してHumboldt大学ではわずかですが奨学金制度があります。一般にはGermany Abroad Exchange Service(DAAD)のような組織や小さな組織からの奨学金制度があります。歯科学生の教育は原則的に無料ですが、学生はsemester毎に大学への登録料ろして100$、そしてすべての本代や材料費。器具一式の購入に2000$が必要となります。これは留学生に限ったことではありません。

海外からの研究者

 ドイツは客員研究歯科医を受け入れています。たとえ滞在期間が数年に及んでも(長ければDAADの資金援助を受ける)。滞在を許可するか否かの試験はありません。決定は経歴、推薦状そしてその人の個人的な知識に基づいて決められます。留学生受入の一番の問題は法的な許可がおりるかどうかです。アジアの大学に大学院コースがないことは知っています。しかし、将来できる可能性はあると思います。

専門医資格

 専門医資格は矯正、口腔外科、公衆歯科衛生にあります。これらの資格はドイツ全体で有効です。研修期間は一般歯科の1年間の研修後に3年間です。歯周病学の3年間のコースはHumboldt大学の歯周病学講座で新たに可能となりました。

 口腔顎顔面外科には医師免許と歯科医師免許が必要になります。医師教育に8ー10年、歯科医師教育に5ー7年を卒後教育を含めて必要です。Oral Surgeryは歯・歯槽外科と解釈されていいと思います。その領域は上顎洞の下から下顎骨までと考えられています。しかし一部のドイツの大学ではそれ以上のことをしているところもあります。一方Orofacaial surgeryは顔面すべてと頚部そして形成外科等を含みます。

 歯科医師が医師になる場合時間的には早いと思います。いくつかの大学では時間短縮のため医学部歯学部の学生を一緒に教育しています。

統一ドイツの問題点

 ドイツは今再建に取り組んでいます。東西ドイツが一つになったことは多くの困難な問題を抱えています。一番大きな問題は経済的な問題ではありませ。経済の問題よりも大変なのは旧東ドイツの人々との物の考え方の違いです。
 北朝鮮と韓国が一つになった時に、何が起きるでしょうか? 彼らの考え方は全くことなっています。ドイツにおいても同じことなのです。旧東ドイツの人たちの受けた教育はまったく異なったものです。大学の中でもこれが原因となっていろんな問題が起きています。

臨床講座での研究

 ドイツの大学ではかつて今の日本のように臨床をし研究をするというスタイルでした。しかし、今はそういうことはしていません。日本の医学教育システムはドイツから学んだシステムと思いますが、臨床で研究をするスタイルが今の日本にまだ残っているというのは興味深いことです。
 ドイツも英語での論文よりもドイツ語の雑誌へ論文を多く出す傾向があり、論文発表は日本と似たような状況にあります。
 
参考資料: http://www.charite.de/oralchirurgie/