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概要 |
人口 |
880万人 |
人口構成 |
農業 |
4% |
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工業 |
25% |
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サービス業 |
71% |
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歯科医師総数 |
8650名 |
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開業歯科医 |
3800名 |
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大学勤務 |
350名 |
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公共歯科医療機関 |
4500名 |
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(病院勤務を含む) |
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マルメ大学歯学部の正式名称は、The Faculty of Odontology and the Centre for Oral Health Sciences, Lund UniversityでLund大学の一つですが、通称はMalmo Universityと呼ばれています。1946年に歯学部は設立されています。
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マルメ大学はPBL教育を本格的に導入したことで世界的に有名な大学です。PBLは前述したように具体的な事例を問題として取り上げ学生たちの自主的な努力によって学習を進めていきます。
例えば、少年がアイスホッケーの練習中に歯を強打された。この患者をどのように治療していけばいいのか? 学生は、歯や顎骨、そしてその成長という問題、修復方法その歯科材料は何を選ぶべきかという問題を学生たち自身で解決していきます。
通常6人から7人の学生でグループを作り協力しながら、仮説をたて学習の到達点と決めます。それぞれの問題点を解決していきます。次の週にグループは学習成果を報告します。
それぞれのグループは他のグループとは高度に独立して活動していきます。しかし、それぞれのグループはそのグループの活動を支援する指導教官をもっています。学生たちがすでに問題として取り上げてきたことについて、セミナーを行うこともあります。
各テーマにはその教育を担当する責任者の教官名が記載されています。
第1学年
第1学期
パート1テーマ:歯学部教育の紹介と口腔の健康における協力関係について
・健康増進の意義
・興味の中心を患者についてにすること
・歯科治療チームについて
・生涯にわたるSelfーdirected education(自己学習)について
パート2テーマ:口腔の生態系
口腔の生態系は唾液、粘膜、歯、多くの微小器官、そして何より重要なのはこれらの相互関係により安定した生態系が構成されていることである。口腔の生態系の機能は皮膚と同じように人体と環境との間の隔壁を維持することである。
この生態系が外傷、口腔衛生の問題、習癖、抗菌剤やフッ素などによって影響を受ける。また栄養状態、薬剤の服用、免疫なども影響を与えてくる。
こうしたことについて従来、生理学、生化学、組織学、解剖学、細胞生物学、歯周病学、歯内療法学などの教科を統合して学生に口腔生態系について教育する。
第2学期
テーマ:歯周病の診断と治療
あまり複雑でない段階の歯周病の診断と治療をとりあげ、人体の防御機能について深く学習する。患者と歯科医師との関係や科学的な情報の読み取り方やプレゼンテーションの仕方について学習する。
第2学年
第3学期
テーマ:生体の機能。う蝕の診断と治療
第3学期の前半に呼吸、循環の生理学が教育され、人体における酸素の運搬、生体の機能における酸素の役割を学習する。さらに呼吸や循環に影響を与える薬剤は病気についてを学習し、歯科治療において患者の生命を脅かす状況の取扱についても学習する。
第3学期の後半は、口腔の生態系に不調和をもたらす機構について学習し、引き続き口腔と歯についての学習へと進められる。学生は診断とは何かについて学び、さらに臨床的に放射線学的にう蝕診断ができるように学習する。
学生は小さなう蝕の治療を模型上でトレーニングを始める。また歯周病についての臨床実習も始められ、歯科治療を進めていく上での患者への接し方や患者の心理面についても学習する。
第4学期
テーマ:う蝕と歯周病の診断と治療
う蝕と歯周病の病因論を治療や予防方法とともに学習する。患者の行動パターンや心理、学生が彼等の患者への治療行為に関連して治療の結果の評価、ということが教育される。さらに病気と関連する身体心理的な反応について学習する。
人体の異物反応が、生体反応、アレルギーなどとともに教育され、さらに歯科材料と口腔組織の相互関係について学習する。
消化、生体異物、臨床的な栄養の問題が食事指導を学生が患者に与えることを想定して教育される。う蝕の治療が論理的に臨床的に歯列全体の最適な機能の再建と維持に関連して教育される。実習室で歯列機能の「形態と機能」が臨床的な手技と統合されて教育される。
学生はどのようにして歯周病の有無や、病状や、治癒などに行う様々な方法をどう評価し行うかについて学習します。この学習は彼等が治療している患者の歯周病の治療と関連して教育されます。歯周病の感染は炎症の学習、口腔内レントゲン写真の撮影法と読影について、さらに放射線の細胞への影響や、患者や歯科スタッフの被爆をどう最小限にするかについての教育が行われます。
第3学年
第5学期
テーマ:歯と歯を取り巻く組織の病気の診断と治療
最初の段階として、歯周病の病因論と病理に焦点が当てられ、歯周病に関連した免疫機構について学習します。歯周病の診断や治療法を決める際にどのような診察を行うかが、スケーリングの手技とともに、最初は実習室での実習として、次に臨床実習として教育されます。
口腔の細菌叢と宿主の関係が、病原細菌の治療と関連され教育されます。抗菌剤が口腔の生態系へ及ぼす影響、さらにプラークの阻害剤の影響も学習されます。
糖尿病が炎症に及ぼす全身的な因子として教育され、糖尿病患者のケアについて歯科的に全身的に教育されます。
第二段階として、歯髄の反応と変化が教育されます。歯髄変化が周囲組織にどのような影響を与えるか、そして診断法や歯内療法の手技などの治療法が教育されます。学生は実習室での模型での歯内療法を学習します。
臨床実習では口腔内レントゲン写真撮影や読影が教育されます。これに関連して放射線の生体への影響、被爆の問題、さらに、骨組織のレントゲン像や、正常と病気の骨組織の代謝や生理や病理が教育されます。
第6学期
テーマ:口腔の炎症と感染。咬合の機能と咬合のリハビリテーション
前半は、口腔の炎症と感染が、感染の口腔内に限局した場合と全身へ波及していく過程とともに教育されていきます。解剖学、特に頭頚部の断層的な解剖の知識が重要になります。診断手技・方法も教育されます。
臨床実習では患者に歯内療法を行います。日常的な口腔外科と歯周外科の教育も開始されます。手術手技は一人一人個別に教育されていきます。
これまで学習してきた様々な治療方法や予後についての論理的な臨床的な知識が
基礎となります。免疫についてさらに深く教育が行われます。
後半は損傷をうけた歯牙の金属による修復が取り上げられます。重要なのはいつ、そしてなぜ修復がおこなわれるかを学生に教えることです。修復にともなう社会的な経済的な問題も取り上げられて学習します。
第4学年
第7学期
テーマ:咬合の回復と咬合のリハビリテーション
歯牙喪失の理由と、その診断や関連組織の問題、歯牙喪失がどのように機能を回復されるかについて教育が行われます。補綴の様々の方法や歯科材料それを取り巻く生物学的な面について教育されます。咬合と咬合の再建についての知識が教育されます。補綴の実習が行われ、試験に合格した学生は補綴処置を必要としている患者の治療を行うことを許可されます。
第8学期
テーマ:小児と成長期、成人の総合的な歯科治療
内科的な問題を抱えた患者や、外傷患者、耳、鼻、咽頭の疾患について、どのように、いつ専門医と患者の歯学・医学的な最良の医療を行うかについて学習します。全身的な病態が口腔へ及ぼす影響について学習し、口腔領域では外傷で損傷された歯牙、下顎骨、顔面骨への影響や合併症が教育されます。
医学部耳鼻咽喉科での教育が行われます。診断に用いる器具やその使い方なども教育されます。
小児や成長期の治療では、精神的な発育や身体的な発育について学習し、口腔の硬組織、軟組織の病気の病因論が教育されます。ハンディキャップを持った患者の治療や全身的な問題のある患者の治療が教育されます。
そして、咬合不全の歯科矯正の治療が教育されます。
第5学年
第9学期
テーマ:地域社会への視点をもった総合的な歯科治療
成人への総合的な歯科治療の合間に、医学的な問題を抱えた患者の歯科治療について焦点をあてて教育します。また口腔顔面痛と腫瘍についての教育が行われます。
患者の治療に関連して医学的な問題を医学の専門医や歯科専門医と、どのように、いつ協力して歯科治療を進めるかも教育されます。
進んだ補綴治療や歯科インプラントについても教育が始まります。
臨床実習でこれまで教育が総合的に行われていきます。 |
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