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Guy's大学キャンパスの中の古い歴史を感じさせる建物に合併後の歯学部長室はありました。Guy's病院は30階前後のタワーのような高層ビルでロンドン市内には高層ビルは少ないためにLondon Bridgeの側で際だって目だっています。インタビューの概要を報告します。
Q.海外からの留学生のための奨学金制度はありますか?
A.奨学金制度は特にない。予算は病院・大学の運営に回しているので海外からの留学生のための奨学金制度はない。母国での奨学金をとってくるのが望ましい形だと思う。
Q.海外留学生授業料への配慮はありますか?
A.歯学部学生に占める海外からの学生の割合は5%ぐらいで別に特別の配慮はしていない。
Q.大学終了後帰国した時、後々までに連絡はとっていますか?
A.卒業し帰国した学生にはNews letterを送っている。
Q.General Dental Coucilから予算配分はあるのですか?
A.General Dentalh Councilは大学の監督機関であって予算の配分などはない。
Q.教授の育成や教授資格はどのようなものですか?
A.米国の教授と英国の教授とは違う。英国では教授は非常に高い位置にある。学問的な業績、教育者としての能力、臨床医としての能力をもって評価するが、特に国際的な活動や評価を受けているかどうかが問題とされる。
Impact factorについては歯学関係の雑誌の評価が低いので、点数にこだわるよりも歯学関係のどのような雑誌に論文があるのかということに注目している。その雑誌がよければいいのだ。
Q.旧植民地の大学への教授の派遣はどのような基準で決めているのですか?
A.旧植民地への出張については大学としての命令などはいっさいない。相談は受けることがある。しかし旧植民地へいくことは、あくまで個人的な問題である。
Q.発展途上国からの大学院生の受入の基準は何ですか?
A.大学院コースへの入学はその人の経歴をみて決めている。特に試験などはない。
Q.基礎医学は医学部と同じ教育なのですか?
医学部と歯学部の基礎医学はまったく同じというわけではない。これは別にした方がいい。なぜなら歯学部には頭頚部の解剖や生理を詳しく教えた方がいいし、循環器を選考するものにそのような教育をするべきではないのと同じことだ。
Q.医師免許を必要としている口腔外科や口腔内科の歯科医師のための医師になる短縮コースはありますか?
A.最近、口腔外科と口腔内科は医師免許をもつようになった。その専門医になるための医師資格修得のために短縮コースがあるのは当然のことだ。ここでもおこなっているし、ほとんどの医学部でこの短縮コースは行われている。3年と1学期(半年)を要する。
Q.Problem based learningについてどう思いますか?
A.PBLについては疑問視している。英国ではリバプールとマンチェスターとダブリンで行っていると思う。
Q.日本では医学部も歯学部も臨床実習で学生が患者を治療する機会が無くなっています。
この日本の臨床実習の現状をどう思いますか?
A.信じられない!
英国では2年生から患者の治療をさせています。卒業までに100人の患者をみている。冠は20症例、歯内症例は20症例、最低限行わせている。もちろん抜歯も相当数させているし、埋伏智歯の抜歯もさせている。
患者は時間がかかってもいい治療をしてくれるならその方がいいと思っているし、大学病院にくる患者はここが教育病院で学生が治療することを不自然に思っていない。
Q.ヨーロッパの他の国の歯学教育をどう思いますか?
A.北欧は優れていると思う。ドイツとフランスについては知らない。
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