General Dental Coucilの指導要項は以下のようになつています。

the preーclinicalコース教科

1)Basic Medical Sciences: 解剖学、生理学、生化学。
2)Oral Biology: 口腔生物学。
3)The Intercalated Science Degree: 第二学年が修了すると、医学・歯学・他学部で学生が希望する分野の科学の勉強をする機会が与えられ、Intercalated BScという称号を得ることができます。この修得のために1、2年間を費やすことを許可している大学もあります。また、Socratesと呼ばれる海外の姉妹校への交換学生制度のある大学もあります。
4)Behavioral Sciences: 行動科学、心理学、社会学。患者の心理、子供、老人の心理、意志疎通の手技などが教育されます。
5)Human Disease: 病理学、微生物学、内科学、外科学、救急医学実習、診察法。救急医学実習では総合病院で出血処置、循環、気道確保などの医師としての救急処置法の教育が行われます。
6)Introduction to Clinical Dentistry:歯科臨床概論に相当。

 the clinicalコースは第二学年の後半から始まります。学年を追うごとに様々な歯科治療を配当された成人や子供の治療を責任をもって行うことになります。

the clinicalコース教科

1)Restorative Dentistry and Dental Materials Sciences: 保存修復学。歯科材料学。老人歯科学。歯科インプラント学。
2)Child Dental Health:小児歯科学。矯正歯科学。
3)Dental Public Health and Preventive Dentistry:公衆歯科衛生学。予防歯科学。
4)Law and Ethics:法医学。歯科医師としての倫理学。
5)Comprehensive Oral Care:総合的な口腔ケア。学生教育と卒後教育の間に位置するもので、臨床各分野の総合的学習。医師としての急患の診察法・応急処置法。
6)Team Dentistry:歯科医療に携わる歯科衛生士、歯科看護婦、歯科技工士、歯科治療士の職種の理解とチームリーダーとしてなすべきことの教育が行われます。
7)Oral Surgery:抜歯を主体とした口腔外科学。
8)Oral Medicine:口腔疾患の診断と非外科的な方法による治療。
9) Oral Pathology and Oral Microbiology:口腔病理学。口腔微生物学。
10) Therapeutics:薬理学。医学・歯学で用いる薬剤の理解と処方方法。
11) Dental Radiology and Image:放射線学。画像診断学。
12) Sedation and General Anaethesia:麻酔学。
13) Placement and Elective Studies:優れた一般歯科医院や地域歯科病院への見学。他大学や他の歯科センター、海外の歯科治療施設の見学。


 英国ではほとんどの大学で歯学部2年生から臨床実習が始まります。最初は簡単な充填処置や軽傷の歯周病の治療から始まり、次第に補綴、矯正、口腔外科などの治療を行うようになります。こうして英国のいずれの大学でも、歯学部学生は卒業までに指導教官の判断を仰ぎながら100人以上の患者の治療を直接します。最終学年は一人の患者についてその歯科的問題のすべてに治療計画をたてて治療をおこなっていきます。こうした臨床実習方法はヨーロッパに共通した教育方針のようです。
 また、学生による治療経費は、英国では通常治療よりも安く設定されています。

 臨床実習のカリキュラムの中で特筆したいのは以下の項目です。

 1)医学部・総合病院における救急医学実習と講義

   交通事故・急性腹症などの救急患者の救急処置方法の教育と実習を行ない広義の医師としての能力を高めています。

 2)Team Dentistry

   歯科チームである歯科衛生士、歯科看護婦、歯科治療士、歯科技工士の職務内容を教育し、彼等とのチームアプローチの仕方を教育しています。

 3)Placement and Elective Studies 

   大学病院から離れて地域の歯科医療機関で実習・見学させることで地域で求められている歯科医療は何かを体得させようとしています。また民族による口腔衛生思想の違いについても教育しています。